要求を断りにくくする方法
- 2019.12.04
人は要求を組み合わせたほうが断りにくくなると言われます。
たとえば、「買い物に行ってきて!」よりも、「自転車を片付けて、買い物に行ってきて!」と要求したほうが断りにくくなるということです。
ためしに隣にいる人に次のように言ってみてください。
「私のかばんを取って、机の上に置いて」
どうです。隣の人が机の上にかばんを置いてくれたでしょ。
これは人はひとつの要求を断るのは簡単でも、要求を2つとも断るのは気が引ける、抵抗感が出るからです。
また、先の例で言うと組み合わせとしては
「自転車を片付けることを了承し、買い物に行くことを了承」
「自転車を片付けることを了承し、買い物に行くことを拒否」
「自転車を片付けることを拒否し、買い物に行くことを了承」
「自転車を片付けることを拒否し、買い物に行くことを拒否」
と4パターンがありますが、それらを1つ1つメリットとデメリットを考えて判断するという複雑な思考を回避したからだという説もあります。
もちろん、このテクニックもセールス、交渉、指導の場で利用できます。
試食販売会場なら「どうぞお味見をしてください」よりも、「どうぞ手にとって、お味見をしてください」と伝えるべきです。
クライアントにお願いをするなら、「ぜひ導入をご検討ください」よりも、「提案書をお読みいただき、ぜひ導入をご検討ください。」と伝えた方がベターです。
人は要求はひとつの場合は判断しやすいが、要求を重ねると判断が難しくなり、その要求を断りにくくなります。
「Aを行い、Bを行ってください」というような言い方で要求は出すようしてみてはいかがでしょう。