日本における単位の世界
- 2020.01.07
何となく気になったので日本の数の数え方を調べてみました。
聞いたことも目にしたこともないない単位だらけですが「刹那」や「弾指」は聞いたことがある方が多いと思います。
これは仏教用語として用いられていたり、極めて短い時間の慣用表現として残っているためだと思います。
「君と目が合ったその刹那」なんて表現がありますものね。
ちなみに、仏教においては刹那の長さについては諸説ありますが、指をひとはじきする(弾指)間に65刹那あると言われているほか、『大毘婆沙論』では、24時間=30牟呼栗多=900臘縛=54,000怛刹那=6,480,000刹那とし、1刹那の長さを1/75秒に比定しています。
単位としての刹那、慣用表現としての刹那は単位としての刹那と異なる、と言えると思います。
いずれにしてもとても短い時間ですが…
下の表を見ていて面白いと思ったのは「劫(こう)」がないことです。
仏教・ヒンドゥー教において「劫(こう)」は1つの宇宙(あるいは世界)が誕生し消滅するまでの期間と言われているのですが、単位としては使われていないというのが面白いですよね。
表をみていると単位が大きくなるに従って、または小さくなるに従って、段々と投げやりに名付けるようになっていくような…
「不可思議」や「無量大数」なんて小学生が考えた単位のように感じませんか…
単位(大数) | 大きさ |
---|---|
十 | 10の1乗 |
百 | 10の2乗 |
千 | 10の3乗 |
万 | 10の4乗 |
(百万) | 10の6乗 |
億 | 10の8乗 |
(十億) | 10の9乗 |
兆 | 10の12乗 |
(千兆) | 10の15乗 |
京(けい) | 10の16乗 |
(百京) | 10の18乗 |
垓(がい) | 10の20乗 |
(十垓) | 10の21乗 |
秭(し)、𥝱(じょ) | 10の24乗 |
穣(じょう) | 10の28乗 |
溝(こう) | 10の32乗 |
澗(かん) | 10の36乗 |
正(せい) | 10の40乗 |
載(さい) | 10の44乗 |
極(ごく) | 10の48乗 |
恒河沙(ごうがしゃ) | 10の52乗 |
阿僧祇(あそうぎ) | 10の56乗 |
那由他(なゆた) | 10の60乗 |
不可思議(ふかしぎ) | 10の64乗 |
無量大数(むりょうたいすう) | 10の68乗 |
単位(小数) | 大きさ |
---|---|
分 | 10の−1乗 |
厘(りん)、釐 | 10の−2乗 |
毛(もう)、毫(ごう) | 10の−3乗 |
糸(し)、絲 | 10の−4乗 |
忽(こつ) | 10の−5乗 |
微(び) | 10の−6乗 |
繊(せん) | 10の−7乗 |
沙(しゃ) | 10の−8乗 |
塵(じん) | 10の−9乗 |
埃(あい) | 10の−10乗 |
渺(びょう) | 10の−11乗 |
漠(ばく) | 10の−12乗 |
模糊(もこ) | 10の−13乗 |
逡巡(しゅんじゅん) | 10の−14乗 |
須臾(しゅゆ) | 10の−15乗 |
瞬息(しゅんそく) | 10の−16乗 |
弾指(だんし) | 10の−17乗 |
刹那(せつな) | 10の−18乗 |
六徳(りっとく) | 10の−19乗 |
虚空(こくう) | 10の−20乗 |
清浄(しょうじょう) | 10の−21乗 |