サンチアゴ航空513便事件
- 2020.01.23
事件の概要は下記の通り。
『1989年11月14日、アメリカのタブロイド紙・ウィークリー・ワールド・ニュースがとある事件を報じた。
1989年10月12日、ブラジルのポルト・アレグレ空港に1機のロッキード・スーパーコンステレーションが、管制塔の許可を得ずに着陸した。
機内を調べると、乗客乗員あわせて92名全員が白骨死体となっていた。
フライトレコーダーを調べてみると、同機は1954年9月4日、西ドイツのアーヘン空港からポルト・アレグレ空港に向かっている途中で行方不明になっていたサンチアゴ航空513便だと判明したとマスコミが伝えた。
超常現象研究家のセルスー・アテロ博士によれば、サンチアゴ航空513便は、「ほぼ確実にタイムワープして消えたのだろう。他に説明できない」という。』
簡単に言うと、1954年に行方不明になったサンチアゴ513便が35年後に突然空港に(自動)着陸した謎の事件のことです。
この事件は様々なメディアで取り上げられ、広まっていきました。
しかし、この事件、調べてみるとおかしな点がどんどん出てきます。
・サンチアゴ航空は存在しない
・アーヘン空港からポルト・アレグレ空港への直行便は実在しない
・アーヘン空港に定期旅客便は存在しない
・アメリカのNPO法人提供するウェブサイトAviation Safety Networkの航空事故一覧には事故が発生した記録がない
・セルスー・アテロ博士は存在しない
・1954年当時の旅客便は自動着陸できない
つまりこの事件、最初から最後まで全部創作なんです。
全部、嘘です。
この事件を最初に報じたウィークリー・ワールド・ニュースのエイプリルフールネタとも言われています。
ウィークリー・ワールド・ニュースはこの事件の他にも完全な捏造記事を掲載する、イギリスならThe Sun、日本なら東スポ的な立ち位置のタブロイド紙のようです。
東スポのUFO記事で大騒ぎする日本人が少ないように、当時もウィークリー・ワールド・ニュースを知っている人は「あーやってるやってる」程度の認識だったようです。
まぁ、今となっては何となく憎めない話ではないでしょうか。