墓石に水をかける理由
- 2020.01.30
お墓参りに行くと、手桶に水を入れて持っていき、柄杓で墓石に水をかける方が多いと思います。
一体どうしてそんなことをするのでしょう。
お墓の汚れを落としたり水をかけて清める、といった意味もありますが、実のところ仏教的な理由があるのだそうです。
死者が訪れる六道(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)のうち餓鬼道には水がないと言われており、お墓に水をかけることで、ご先祖様の喉の乾きを潤そう、という意味があるのだそうです。
亡くなったご先祖様が六道のどこに行っているか分かりませんから、餓鬼道に行ってしまったご先祖様のために、ということのようです。
また、墓のそばにいるという「餓鬼」への施しという説もあります。
餓鬼は通常は水を飲めないのですが、お墓にかけられた水は飲むことができると言われているからです。
つまり、下等な餓鬼にすら水をあげるという仏様の慈悲の心を象徴する行為を意味しています。
もう一つ、お墓に水をかけることが合図となって、ご先祖様が墓参りに来た人たちの前に現れるから、という説もあります。
もちろんこれらは、一般的な仏教感に基づいたものですので、信仰の違いによって異なります。
水をかけることを否定的に捉える地域や考え方もあるそうですので、注意が必要です。