明治時代に1か月で26万人を集めた謎の生物
- 2022.08.07
ときは1907(明治40)年。上野動物園は、ドイツからある動物2頭を1頭8000円で購入しました。
当時は、2000円で庭付きの豪邸が買えたという時代。
いかに高価な買い物だったかがわかります。
この動物、横浜港に着いてから鉄道で運ぼうとしたものの、あまりにも大きくて、途中のトンネルを抜けられないことが判明。
船によってゆらゆらと浜町河岸へ輸送しはまちようて、そこから貨車で上野動物園まで運ばれました。
その道すがら、天下の奇獣を目撃した人たちの口コミもあって、上野動物園はたったの1ヵ月で2万人もの入場者であふれ、動物園はすぐにもとを取り返した上に、職おおいりぶくろ員たちには毎日のように大入袋が出されたのだとか。
明治の人たちを仰天させた、その動物。
それはキリンでした。
「ファンジ」と「グレー」という名だった、このキリン。
残念なことに、翌年には2頭とも死亡してしまったそうです。
2頭は剥製標本になり、現在も国立科学博物館が所蔵しているそうです。
当時の東京の人口が560万人程ですので、約20人に1人が見に行ったことになります。