意外と知らない太陽の話
- 2022.08.09
太陽は、薪がたき火で燃えているような感じで燃えているのではなく巨大な原子炉のようなものです。
太陽からのエネルギーは、ふたつの小さな原子核が合わさってひとつの大きな原子核になる反応(核融合)で生み出されています。
基本的に太陽は、水素原子を融合させてヘリウム原子にすることでエネルギーを作り出します。
また、ヘリウムが融合してべリリウムになる反応や、 ベリリウムが融合してリチウムになる反応も起きています。
太陽は、質量と重力が途方もなく大きく、そのため太陽の中心部である核は高温・高圧とされています。
この高温・高圧という環境が、 核融合の起こる条件だからです。
通常の環境では、水素原子の核にある陽子は、すべて正の電荷を帯びているため、 互いに反発し合います。
しかし、 太陽中心部の圧力は非常に高く、 電磁力に打ち勝って水素原子をくっつけます。
ふたつの水素原子が融合してヘリウムになるとき、 二個の水素原子の合計質量のごく一部が、 大量のエネルギーに変換されます。
この変換は、アインシュタインの有名な方程式 E=mc2 に従って進みます。
つまり、放出されるエネルギーは、失われた質量に光速の二乗をかけた値に等しくなります。
このように核融合は、ごく少量の燃料から驚くほど膨大な量のエネルギーを生み出すので、科学者たちは何十年も前から、地球上で制御された核融合反応を起こそうと努力し続けています。
しかし、現在のところ常温核融合は今もSFの世界にとどまったままです。
過去45億年間で、太陽は当初持っていた水素の約半分を消費したと考えられています。
水素を使い果たしたとき、太陽の核は重力のため収縮し、温度が上がって外層を膨張させ、そのとき太陽は赤色巨星となり、 地球を飲み込んで蒸発させてしまうそうです。