ストラディバリウスは何がすごいのか
- 2022.09.08
最近は、各地に素晴らしいコンサートホールができ、外国からも一流のクラシックの演奏家が来日しています。
近年では、日本人指揮者が海外の著名なオーケストラに招かれるなど、日本人にとってもクラシックは身近なものになってきています。
クラシック音楽の成否を決めるのは、演奏家の技術もさることながら、楽器のよし悪しが大きく影響するといわれています。
バイオリンの場合、ストラディバリウスやグァルネリなどの名器が出す音色は、ほかの楽器には真似できません。
では、高価な楽器は、ほかのものとどこが違うのでしょうか。
これは材料の木片に秘密があるようです。
超高価な楽器の木片を提供する人はごく少数。
このため秘密はあばかれないままだったのですが、あるとき、チェロの背丈を短く改造するときに出た木片から、その秘密が解かれました。
分析によると、その木片は5年近くも海水につけられ、楽器にされる直前に、細かく砕いた砂を混ぜたビールにつけられていました。こうすると、普通だとつまってしまう木の中の組織の管が、いつまでも貫通したまま保たれ、いい音色が出るわけです。
さらに、表面に塗られているニスも、トンボやハチの羽を溶かしてつくったもので、それも柔らかい音を生み出す原因になっていたということです。