「囚人服」のイメージは、なぜしま模様か
- 2022.10.12
囚人コントに出てくる囚人の衣装は、決まってしま模様ですよね。
あれは19世紀ごろ、アメリカの刑務所で広く使われていた囚人服のデザインで、20世紀の初めには廃止されたものの、19世紀当時を舞台としたアメリカ映画の刑務所シーンなどで登場するために、日本人にとって、海外の刑務所の囚人=しま模様の囚人服というイメージが刷り込まれたのだと思われます。
そもそも、ユダヤ教で縞模様が忌み嫌われたことから、中世ヨーロッパで、しま模様の衣装は「愚か者」の象徴として絵画などに描かれました。
それが、「愚か者」→「劣った者」→「君主に従属する立場の人間」となり、宮廷の召使いや給仕係、軍人、下級役人などの服装としてしま模様が使われるようになり、囚人服にも使われるようになっていったのです。
また、派手な全身しま模様は、牢獄を脱走しても、ひと目で「コイツは脱走犯だ」とわかるという効果もあったようです。
さて、かつては格子模様と呼んでいたこの模様を、日本で「しま模様」と呼ぶようになったのは、16世紀ごろに南方の島国から渡来品としてこの模様の織物が伝わったとき、「島渡り」「島もの」などと呼んでいたものが、「島模様」となり、やがて「縞」の字があてられたのです。
「しま模様」の「しま」は「島」だったのですね。