便利な防水スプレーの危険性
- 2023.02.28
日常生活を便利にするグッズは数限りなく存在しますが、雨の日の外出で役に立つのが防水スプレーや撥水スプレーです。
靴やカバン、衣類にスプレーすれば、ある程度雨をはじくことができます。
防水スプレーや撥水スプレーの成分を大きく分けると、 フッ素系樹脂とシリコン系樹脂の2つがあります。
フッ素系樹脂はフライパンなどの表面加工にも使われているもので、油を使わなくても食材がフライパンの表面にくっつかないという優れモノ。
耐熱や耐薬品、電気絶縁性などに優れており、自動車や航空機、 半導体から家庭用品まで、その用途は多様です。
一方のシリコン系樹脂も調理器具から生活貨、医療から工業まで幅広く用いられる素材です。
柔らかく滑らかな表面で、耐熱、表面張力の低さ、離型性、電気絶縁性などに優れています。
これらを溶剤で細かい粒子にして可燃性の石油系ガスでスプレーすると、衣類などの表面に膜をつくることができます。
その効果で、雨粒をはじくことができるのです。
しかし、これらのスプレーは使用方法を間違えればたいへん危険な道具であることを忘れてはなりません。
フッ素系樹脂やシリコン系樹脂の細かい粒子を誤って吸い込んでしまうと、体内で空気と共に肺に入って、肺細胞の表面に膜のように付着します。
その結果、肺細胞にあるヘモグロビンに酸素が届けられなくなってしまうのです。
どんなに息を吸って酸素を取り込んでも、それが細胞に行き渡らないため細胞が窒息してしまうのです。
吸い込む量によって体への影響は異なるが、ひどい場合は呼吸困難になり意識も消失してしまう緊急事態に陥り、死亡事故にもつながりかねません。
そのため、スプレー缶には必ず、直接吸い込まないことや換気の良い場所で使用する、子どもが使用しないといった警告が記されています。