西部劇「マカロニウエスタン」はなぜできたか
- 2023.03.03
あなたは「マカロニウエスタン」をご存じですか?
1960~70年ごろ、イタリアで作られた西部劇のことをそう呼びます。
そういう呼び名は知っていても、実際に『夕陽のガンマン』『荒野の用心棒』などの映画をご覧になったことがある方は少ないかもしれません。
当時はジュリアーノ・ジェンマなんてイケメンスターが女性に大人気。
今ではシブイ大御所スター兼名監督になったクリント・イーストウッドも、若いころはガンマン役でマカロニウエスタンにバンバン出ていました。
この「マカロニウエスタン」という呼び名は、映画解説者の淀川長治さんが日本人向けに考えた呼び方で、他の国では「スパゲティーウエスタン」と呼ばれているというのは雑学ネタの定番です。
それにしてもどうして、イタリアで西部劇が量産されたのでしょうか。
考えてみれば、少し…いや、かなり強引です。
これ、実は、もともとイタリアの小さな映画制作会社が「なんとか安く映画を撮れないか?」と考えて、ハリウッドで仕事にあぶれていた西部劇のスタントマンたちに目をつけたのがきっかけでした。
彼らを安いギャラで大量に雇って映画に出すには、西部劇以外は考えられなかったというわけです。
苦肉の策の西部劇でしたが、カッコイイ男たちが演じる派手なアクションが人気を呼んだのです。