暗闇でも一発で獲物を仕留める毒ヘビの超能力
- 2023.03.28
軍事兵器に詳しい人なら、「サイドワインダー」という名前を聞いたことがあるでしょう。
中短距離用の空対空ミサイルの名前で、敵の飛行機から出る赤外線を感知し、どこまでも追いかけて爆破するという恐ろしい兵器です。
このサイドワインダーとは、北アメリカ西部の砂漠に棲む小型のガラガラヘビの名前からきているのです。
サイドワインダーが属するマムシ亜科のヘビは、目の前部に「ピット」と呼ばれる特殊な器官を持っています。
ガラガラヘビに目隠しをして、口の中に味覚と嗅覚を麻痺させる薬品を入れても、ネズミを襲って捕まえることができます。
しかし、ピットをテープでふさがれ、暗闇の中に置かれると、ネズミを捕まえられません。
つまり、このピットは、哺乳類など温血動物から出る体温の赤外線を敏感にキャッチするセンサーの役目をしているのです。
その精度は0.2度の温度差をも感知するといいます。
左右一対のピットにより、獲物の位置を立体的に探知できるので、暗闇の中でも正確に攻撃することができます。
ハブ、マムシ、ガラガラヘビなど、マムシ亜科のヘビはすべて毒ヘビです。
そこで、一撃を加えた後、逃げた獲物の体温をたよりに追跡すれば、やがて倒れている獲物たどり着くというわけです。
獲物にとって、ガラガラヘビはまさに"ミサイル"ということになるでしょう。