ざっくりモーセの歩み
- 2023.03.31
旧約聖書の中心人物のひとりであるモーセは、古代イスラエルの民族指導者です。
旧約聖書によると、モーセはエジプトの王の圧政からヘブライ人を逃れさせ、のちに 「モーセの十戒」として知られる戒律をヘブライ人たちに伝えました。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教など多くの信仰では、モーセは立法者と認識されており、モーセの律法はそれら宗教の道徳の規範となっています。
旧約聖書に描かれるモーセの生涯の詳細のち、歴史的に証明できているものはほとんどなく、例えば、 120歳まで生きたという説などは事実とは考えにくいものです。
モーセが実在したとすると、現在のエジプトとヨルダンに当たる地域で、 紀元前1200年から紀元前1500年の間に存在したと考えられています。
モーセの生きた時代は、エジプト王のラムセス二世 (前1303頃~前1213頃) の時代だった可能性があります。
旧約聖書の『出エジプト記』 には、モーセの出自が触れられています。
モーセが生まれたころ、ヘブライ人のすべての男の赤ん坊を殺すようファラオが命令しました。
モーセの母親ヨケベドはその命令には従わず、 まだ小さな赤ん坊の息子をパピルスの籠に入れ、ナイル川に流しました。
この子はファラオの娘のひとりに発見され、エジプト人として育てられました。
しかし、ファラオの奴隷監督のひとりを殺害したため、エジプトから逃げ出します。
ヘブライ人のもとへ戻ったモーセはヘブライ人を解放せよという神からの啓示を受けます。
『出エジプト記』 によると、 モーセは兄アロンと共にエジプトへ戻り、 「我が民を解放せよ」 とファラオの前で主張しました。
ファラオがそれを拒否すると、 神は 「十の災い」 (バッタを大量発生させる、雹を降らせる、 長子を皆殺しにする、 など) をもたらしたので、 ファラオは最終的に折れざるを得なくなりました。
それからモーセはヘブライ人を率い、祖先の地へ向かうべく紅海を渡りました。
途中モーセはシナイ山に寄り、そこで神から十戒の啓示を受けます。
しかし、焦っていたモーセは神を怒らせてしまい、罰として神は、モーセを「約束の地」に入らせませんでした。
モーセは、ヘブライ人がイスラエルの地に帰着する寸前に、ピスガ山で死去しました。
無茶苦茶な話ですが、神話なんてそんなものです。