世界で食べられている日本生まれのステーキ料理とは
- 2023.05.23
薄くのばした牛肉をタマネギに漬けて焼いたステーキを、シャリアピンステーキと言います。
名前はいかにも洋風ですが、実はこれ、日本独自のメニュー。
シャリアピンとは、20世紀最大のオペラ歌手・シャリアピンの名からきています。
このステーキは、帝国ホテルのコックが、シャリアピンの注文に応じて考案した料理なのだそうです。
シャリアピンは、 ヨーロッパ、アメリカ各地で大成功をおさめたあと、昭和11年に日本を訪れ、帝国ホテルに泊まりました。
彼はコックに、「何か変わったステーキをつくってくれ」と頼みました。
そこでコックは腕を振るって、タマネギをたっぷり使ったステーキをつくります。
まず、すりおろしたタマネギの中に肉を漬け込みます。
さらに、タマネギのみじん切りをバターで炒めてつくったソースを、肉の上にたっぷり乗せました。
一口食べたシャリアピンは、大満足。
その後、公演でまわる世界各地のレストランやホテルで、タマネギを使ったあのステーキをつくってくれと頼むのでシャリアピンステーキと名づけられ、この料理法は世界中に広まったのです。