ざっくりラプラスの悪魔
- 2023.08.23
この概念は、彼の著書『天体力学体系』(1814年)で紹介されました。
ラプラスの悪魔は、ある瞬間の宇宙内のすべての粒子の位置と運動を完璧に知ることができる仮想の知的存在です。
この悪魔が存在すれば、ニュートンの決定論的な物理法則に基づき、過去と未来の宇宙の状態を完全に計算することができるというものです。
この考えは、すべての事象が原因と結果の連鎖に基づいているという決定論的な視点を強調しています。
したがって、理論上は過去と未来が完全に予測可能であるとされています。
しかし、20世紀に入り量子力学の発展によって、微規模なレベルでは確率的な挙動が支配することが明らかになり、ラプラスの悪魔のような完全な予測は実際には不可能であることが示されました。
このため、ラプラスの悪魔は現代の物理学とは一致していないとされることが多いです。