人間が地球の頂点に立てたのは嘘や概念を信じてしまうから
- 2023.08.30
この考え方の根底には、人間の文化的・社会的な進化が、単なる生物学的な進化を超えているという点があります。
共有の概念(集合的な幻想)
お金、国、宗教、法律など、我々が信じている多くの概念は基本的には「集合的な幻想」です。これらの概念は物理的には存在しないが、人々がそれを信じることで「現実」となり、大規模な協調行動が可能になります。 例えば、全世界の人が一斉に「お金には価値がない」と信じてしまったら、その瞬間に貨幣経済は終わります。協力の拡大
他の動物は基本的に「顔を知る」個体同士でしか協力しないが、人間は抽象的な概念やストーリーを共有することで、より大きな集団で協力することができます。これが、大規模な社会構造、国家、多国籍企業などを作り出す基盤となっています。文化の進化
信念や概念は人から人へと「伝染」することができ、一種の「文化的選択」を通して進化します。これにより、有用な社会的構造やテクノロジーが短期間に急速に普及することが可能になります。複雑な計画と未来の予測
人間は未来に起こるであろう出来事に対して計画を立てる能力があり、これが大規模なプロジェクトや文明そのものの構築を可能にしています。この能力も、抽象的な概念を理解し、それに基づいて行動する能力に起因しています。道具とテクノロジー
人々が抽象的な概念を共有する能力は、道具やテクノロジーの使用にも影響を与えます。言い換えれば、我々は単に物理的な道具だけでなく、言語や数学といった「抽象的な道具」を用いて問題を解決することができます。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」など、このテーマに関する多くの文献が存在します。
このような能力が人間を地球上で非常に成功した種にしている一方で、それが引き起こす潜在的な問題(環境破壊、不平等、戦争など)もまた、多くの議論がされています。