LSDの発見とアルバート・ホフマン博士

2023.11.29

LSDの発見とアルバート・ホフマン博士

LSD（リゼルグ酸ジエチルアミド）の発見と開発は、スイスの化学者アルバート・ホフマンによって行われました。ホフマン博士は1927年に大学を卒業した後、スイスの大手製薬会社サンド社（現在のノバルティス）の薬学・化学研究所に入所しました。彼は麦角の研究に取り組み、その過程で1938年に初めてLSDを合成しました。ただし、その時点ではLSDの幻覚作用については知られていませんでした。

LSDの幻覚作用が発見されるのは、その5年後の1943年のことでした。ホフマン博士は、研究室で作業中に誤ってLSDを吸収し、その幻覚作用を体験しました。この体験後、彼はLSDの研究を続け、その幻覚作用が人間に与える影響についての理解を深めました。わずか25マイクログラムの摂取だけで鮮明な幻覚作用が現れることも判明しました。

ホフマン博士は、この体験から3日後の1943年4月19日に、250マイクログラムのLSDを摂取し、自宅まで自転車で帰ったというエピソードが有名です。この日は「自転車の日」としても知られています。ホフマン博士は、LSDの開発において「自分が合成したのではなく、LSDのほうから自分に歩み寄ってきたようなもの」と表現しており、彼の研究に対する敬意を示しています。

アルバート・ホフマンは、LSDだけでなく、マジックマッシュルームの幻覚成分であるシロシビンとシロシンの研究も行い、これらの物質が人間の精神に与える影響について深く探求しました。

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