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ざっくりアナーキズムとは

2023.12.04

ざっくりアナーキズムとは

20世紀、共産主義とファシズムと民主主義が激しく衝突する中、それとは異なる道を選び、この3つすべてを否定した、小規模ながら好戦的な政治運動がありました。

アナーキズムとはあらゆる形態の政府に反対する考えのことです。

無政府主義は、ピエール=ジョゼフ・プルードン(1809~1865)やミハイル・バクーニン(1814~1876)ヨーロッパの政治理論家たちによって形成されました。

この運動が最も盛り上がりを見せたのは、ヨーロッパでもアメリカでも、19世紀末から20世紀初頭にかけてのことでした。

支持者たちにとってアナーキズムとは、政府による弾圧と資本主義による搾取の終焉を約束するものでした。

アナーキストは、私有財産は廃止されるべきであり、工場の管理は労働者の手に渡すべきだと考えていました。

アナーキズムには共産主義との共通点が多いですが、プルードンら思想家たちは、国家の役割を何ひとつ想定しませんでした。

具体的な行動として、アナーキストは世界規模で暴力活動を開始し、特に、世界各国の政府を最終的に打倒する手段として、権力者の暗殺を重点的に実施しました。

ロシアでは、皇帝アレクサンドル2世(1818~1881)がアナーキストにより爆弾で殺されました。

イタリア王ウンベルト1世(1844~1900)は銃で暗殺されました。

アメリカ大統領ウィリアム・マッキンリー(1843~1901)を暗殺したレオン・チョルゴシュ(1873~1901)もアナーキストでした。

また、現場に居合わせた38名が犠牲になった1920年のウォール街爆破事件も、未解決で真相は不明ですが、アナーキストの仕業と考えられています。

アメリカで最も有名なアナーキストはエマ・ゴールドマン(1869~1940)ですが、アナーキストたちは、その思想ゆえ、国家単位でのまとまった指導体制は当然ながら持ちませんでした。

しかし、秘密主義を取っていたため、かえって人々から恐れられました。

こうしたアナーキズムへの恐怖から、第一次世界大戦後のアメリカでは、いわゆる「赤狩り」が起こり、ゴールドマンをはじめ、アナーキストや共産主義者と疑われた人々が数多くアメリカから国外へ追放されました。

アナーキズムには今も支持者がいますが、暴力行為は、アメリカでは1920年代以降に終息しました。

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