【サクッと都市伝説】件（くだん）｜ブログ｜千葉県のホームページ制作 ARECORD エーレコードプライバシーポリシーサイトマップ

件（くだん）は、19世紀前半から日本各地で知られている予言獣、または妖怪です。
この生物は人間の顔を持ちながら牛の体をしており、予言能力を持つとされています。
江戸時代後期の文献や民俗学的資料によれば、件は「人面牛身」と記載されています。
特に注目されるのは、天保7年（1836年）に京都府宮津市の倉梯山で出現したとされる件です。
この件は、数年間の豊作を予言し、その絵を掲げることで家内繁昌や災厄回避の効果があると教えたと伝えられています。

一方で、件の予言の中には、疫病の流行などの災厄のみを予言し、豊作の吉兆は予言しないものもあるとされています。
文政2年（1819年）の日記「密局日乗」には、牛から生まれた件が人間の言葉で未来の凶福を予言し、その後数日で死ぬと記されています。
さらに、内田百閒が大正時代に発表した短編小説「件」には、件が生まれて三日で死ぬという設定があり、昭和時代の民俗学の書物では、件が牛から生まれた奇獣、または人と牛との雑種であるとされ、人間の言葉を話す能力を持つとされています。

件の起源には、中国から伝来した白澤の図絵が関連しているという説があります。
江戸時代の日本では、白澤の図絵が旅行の際の厄除けとして配られる習慣があり、この図像が「件」に影響を与えたとされています。
また、人面を彷彿とさせる顔の奇形を持つ仔牛が疾患によって生まれることがあり、これが件の伝説に発展したとも考えられています。

件の伝説は、日本の民間信仰や妖怪文化において興味深い一面を持ち、その神秘的な予言と出現の背景には多くの人々が魅了されてきました。

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