パレートの法則と働きアリの法則
- 2019.06.04
有名な法則なのでご存知の方も多いと思いますが拡大解釈されていると思ったので記事にしてみます。
■パレートの法則とは
パレートの法則は、経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論です。
80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれます。
■パレートの法則の例
・ウェブサイトは、2割のページにサイト全体の8割のアクセスが集中する
・売上げの8割は、全体の2割の顧客で占めている
・売上げの8割は、全体の2割の製品で占めている
・あるソフトウエアの利用者の8割は、全体の2割の機能しか使っていない
・勤務時間の2割で、その日の仕事の8割を実現している
といったものなのですが、「経済において」というところが重要で、実際には、これほど広い分野でキレイに8:2に分かれることはほとんどありません。
特にウェブサイトのアクセス解析をしていて、この法則が当てはまったことは、私はありません。
「法則」という言葉が、あたかもいつ、どこでも、一定の条件のもとでは成立する関係だと思わせてしまいますが、数学の定理でもない限り、そんなことはまずあり得ません。
■働きアリの法則
働きアリの法則は、働きアリに関する法則です。
パレートの法則(80:20の法則)の亜種で、2-6-2の法則とも言います。
■働きアリの法則の例
・働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
・働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
・よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
・よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。
というもので、こちらの方が有名かも知れません。
しかし、これを人間に当てはめるのはいかがなものでしょうか。
現在も研究中のテーマですし、働いていないアリも人間には分からない役割を担っているかも知れません。
個人的にはマーケティング等で「法則」と名がつくものには要注意だと思っています。
調べてみると根拠に乏しかったり、誰がどういった考えから言い出したのか不透明なものも多いです。
有名な法則や有名人が言い出したことを信じすぎるのは程々に。