平民宰相 原敬のラブレター
- 2020.03.23
日本の第19代内閣総理大臣、原敬。
当時まだあった爵位の受け取りを断り続けたことから「平民宰相(へいみんさいしょう)」と呼ばれた明治・大正期の政治家です。
大正10年に東京駅で襲撃され、65歳で命を落としますが、当時の記事を読む限り、国民から愛された政治家と言っていいと思います。
上級武士の家柄に生まれ、幾つも勲章を貰っている人ですが、調べてみると、かなり暗躍した人のようです。
暗殺された最後や色々な人と人を引き合わせたところが、なんとなく坂本龍馬のイメージと重なります。
そんな原敬ですが、ある時、某新聞社が、若き日に原が書いた熱烈なラブレターの内容を暴露したことがありました。
今なら、いくら公人でも単なるプライバシーの侵害ですが、明治・大正の時代、その辺りはお構いなしだったようです。
さて、このラブレターについて、「あのラブレターは本物ですか?」と訊かれた原敬。
慌てず騒がず、平然とこう言ったのだそうです。
「なーに、あれはまだ、それ程のものじゃないさ。もっと凄いのも、探せばまだ幾らでも出てくるはずだ」と全く意に介しませんでした。
良くも悪くも、総理大臣になり、襲撃される程の人というのは、考え方が普通と異なるのかも知れません。