フーテンの寅さんの職業名とは
- 2023.02.26
全部で48作と、1人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズとしてギネスブックにも掲載されている『男はつらいよ』。
主人公の寅さんこと車寅次郎は、全国を渡り歩き、縁日などで露店を出しては、軽妙な調子でものを売っていました。
こうした、寅さんのような仕事をしている人たちをなんと呼ぶか、ご存じでしょうか。
答えは、香具師(やし)。
もともとは、薬や「香具(=お香を薫く道具)を売ることが多かったのでこの漢字が当てられ、「やし」の他に「こうぐし」と読まれることもあるそうです。
その語源は、「薬を売っていたので、薬師から『やし』になった」とか、「野武士が生活のために身分を隠して商売をしたので、『武』の字が取れて『野士』から『やし』になった」とか、「『山師』が『やし』になった」など諸説があります。
面白いところでは、「道端に商品を並べて商売をした元祖の男の名が、弥四郎だったところから『やし』と呼ぶようになった」という説もあります。
香具師は「的屋(てきや)」と呼ばれることもありますが、こちらは、的に矢を当てる「的屋(まとや)」から出た呼び名といわれています。