フクロウは目でなく耳で物を見ている
- 2023.03.10
"森の哲学者"と呼ばれるフクロウは、そのイメージ通り本当に賢く見えます。
特に、顔を少し傾け、大きくてつぶらなひとみでジーッとこちらを見つめる姿は、とても思慮深く見えるもの。
ところがこのフクロウ、賢く見えるだけでなく、実際に大変賢い機能を持っている鳥なのです。
フクロウはネコと同じように、夜になると目をらんらんと輝かせ、ネズミなどの物を見つけて捕らえることができます。
しかもフクロウの場合は、光がまったくない所でも確実に獲物を仕留めることができます。
これはフクロウが、目ではなく、耳で物を見ているからだといえます。
フクロウの耳がどこにあるかといえば、実は、丸い顔の中にあります。
目の斜め下、人間でいえば頬のあたりです。
そして、その耳は左右に離れているだけでなく、上下にも位置がずれているのです。
そのおかげで、上下左右のどこから発する音でも正確に到達時間を把握でき、獲物のいる場所を確実に知ることができるのです。
獲物のほうも、聴覚が鈍いというわけではないのに、なすすべもなく捕まってしまいます。
フクロウの羽音を素早く聞きつけて、サッサと隠れてしまえばいいと思うのですが、どうもそれは無理な相談のようです。
なぜなら、フクロウの羽毛の先は、どれも細くけば立っていて、羽ばたく音をすっかり吸収してしまうので、まったく音を立てずに飛ぶことができるからなのです。