「消せるボールペン」のしくみを説明できる?
- 2023.03.09
近年の文具の大ヒット商品のひとつが、消せるボールペンですよね。
テストの採点作業や仕事の書類の修正など、赤い字を書き込むことが多いシーンでは、赤字を消して書き直せるという点が修正ペンなどを使う手間を省きました。
しかも、色分けした書き込みも消すことができるので、たとえば手帳はアナログ派という人にとっても予定が変更するたびに書き直せるため手放せない製品でしょう。
消しゴムを使って黒鉛をはがしとる鉛筆とは違って、消せるボールペンはインク自体を取り除いているわけではありません。
温度の変化によって色が変わるインクを利用して「見えなく」しているのです。
消せるボールペンは、本体の頭についているラバー部分でインクをこすって消すしくみになっています。
ラバー部分でこするときの温度は、だいたい60度を超えるとされており、インクが消える温度もそれくらいに設定されています。
付属のラバーでなくても、何かでこすって設定温度を超えればインクは消えてしまうのです。
この特性を考えれば、こすらなくてもインクが消えてしまうことがあるのを想像できるでしょう。
たとえば、夏の駐車場で高温になる車内に置いておけば、書いてあったはずの文字が消えてしまうという事態が起きてしまいます。
いったん消えたインクは、温度を下げても再現することはできません。
便利な文房具ですが、その特性を知って管理に気をつけないと、せっかくの作業が水の泡などという事態にもなりかねないので注意しておきましょう。