ラクダの4つの「砂漠サバイバル術」
- 2023.04.11
ラクダはアフリカ北部や中東、中央アジアのゴビ砂漠出身の動物ですが、古くから家畜化が進み、野生種はほとんどいません。
しかし砂漠で生き延びるためのメカニズムは、先祖伝来のもの。
背中のコブに脂肪を蓄え、これを砂漠でエネルギー源にすることはよく知られていますが、そのほかにも体のあちこちに砂漠向きの機能が備わっています。
まず、「足の裏」。
座布団のように柔らかくて弾力に富んでいるため、砂にめり込みません。
人やほかの動物にとっては見るからに歩きにくそうな一面の砂地も、ラクダはふんわりと踏みしめて歩くことができるのです。
それから、「まつ毛」が長いのは、砂が目に入らないため。
空気が乾燥した砂漠では歩くたびに砂が舞い上がったりするので、目を守るためにまつ毛が発達したようです。
また、ラクダの「血液」には、飲んだ水を吸収させてためこむことができます。
そのおかげで、水があるときには、がぶがぶと飲み溜めしておくこともできるのです。
なお、「コブ」についてもうひと言。
砂漠の旅に出る前の数日間、ラクダは人間から食べものをたっぷり与えられて食い溜めにいそしみ、食べたものは脂肪に変えてコブに貯蔵しておきますが、この貯蔵にも限度があります。
何も食べずにコブの脂肪だけを運動エネルギーとして消費していけば、コブがしだいにしぼんでくるのも自然のなりゆき。
長旅の後のラクダ、町に着いたときにはコブがしわくちゃの皮となって、体の片側に垂れていることもあるそうです。