桜が春に咲く理由
- 2023.06.08
すべての植物の花が春に咲くわけではありません。
にもかかわらず、桜は春、東京ではまだ寒さの残っている4月のはじめに必ず咲きます。
どうしてでしょうか。
植物に花を咲かせるのは開花ホルモンという物質です。
それが何かの刺激を受けて活動を始め、つぼみに働きかけると花が咲くわけです。
では、つぼみはいつできて、どんな刺激を与えられると咲くのでしょうか。
桜の場合、 春に花が散って青葉が出る頃には、もう次のつぼみが葉の陰にできています。
このつぼみの芽は夏の陽に照らされ、秋風に吹かれ、やがて厳しい冬を迎えます。
実はこの冬こそ桜の開花ホルモンにとっては大切な経験なのです。
厳しい冬の寒さを通って、春になると再び暖かくなります。
つまり、いったん冷えてから、また暖かくなるという、このプロセスを経ると桜の開花ホルモンは始動するのです。
だから、秋口に冬のような寒さが訪れ、その後、春のような暖かさ(小春日和)になると勘違いして開花してしまう桜も出てくるわけです。
これが「狂い咲き」といわれる現象です。