台風はいつの間に、あんなに大きくなるのか
- 2023.06.20
大型台風に直撃されると、屋根が吹き飛ばされたり木が根こそぎ倒れたり、かなりの被害を受けます。
通り道の国々に被害を出しながら日本までやってきて、まだそれくらいの破壊力を保っているわけですから、元のエネルギーは、それこそ計り知れないように思われます。
ちなみに、日本台風史上で未曾有の被害をもたらした伊勢湾台風が南の海上にあったときのエネルギーは、水爆180個が同時に爆発したくらいの規模に相当するとうすさまじさです(なんと死者、行方不明者合わせて5098人にのぼりました)。
では、このすさまじいエネルギーの元はいったい何なのかというと、海水が太陽に熱せられてできる水蒸気です。
海水1グラムが約60キロカロリーの熱を得ると水蒸気になり、上昇気流に乗って上空に昇ります。
上空に昇ると冷やされて、今度はまた水滴に変わります。このときには、1グラムにつき約580キロカロリーの熱を放出します。
この熱で周りの空気を温め、空気はさらに上昇して、頂上から四方に噴き出します。
噴き出す力はだんだん強くなり、地球の自転も影響して地表に近いところでは渦が起こり、その速度を増していきます。
そして、中心の風速が177メートルを超えると「台風」になります。
このようにして、台風は次第にエネルギーを蓄えていくのです。
「水→水蒸気→水」と変化するときに出るエネルギーが、台風のエネルギーだったのです。
現在、地球の平均気温は上昇傾向にあり、地球全体が温暖化しています。
すると当然、海水温も上がり、台風が大型化するだろうといわれています。
地球の温暖化は、単に気温が上昇するだけでなく、さまざまな気象現象を誘発するようです。