幽霊文字(幽霊漢字)とは
- 2023.06.28
幽霊文字はJIS基本漢字に含まれる、典拠不明の文字(漢字)の総称で、使われることがない文字にも関わらず下記のようにPCでも表示できる文字で、具体的には次の12文字を指します。
墸(チョ)
壥(デン)
妛(シ)
挧(ウ、トチ)
暃(ヒ)
椦(ケン)
槞(ル、ロウ)
蟐(ジョウ、モム)
袮(ネ、ナイ)
閠(ギョク、ニン)
駲(シュウ、ジュン)
彁(カ、セイ)
JIS基本漢字なので当然上記のようにPCやスマートフォンでも表示可能です。
典拠不明の文字なのに読み方が判明していますが、これは便宜的に割り当てられたものです。
幽霊文字のうち上から11文字は下記に偶然に一致した、誤字か、写し間違いの誤写とみられる記述があります。
『集韻』『倭玉篇』『字鏡集』『中華字海』『法華三大部難字記』『一切経音義 (玄応)』『宋元以来俗字譜』『新撰字鏡』『類聚名義抄』『広韻』
ですが、彁(カ、セイ)はどこにも記述されたことが判明していないにも関わらずJIS基本漢字に含まれるという不思議なことになっています。
こういった幽霊文字が残されている理由としては、何度か行われた改正の際に大きな混乱を招いてしまったため再度改正を行って幽霊文字を削除することに二の足を踏んでいる、Unicodeとの互換性を維持する必要あったためとのことです。
以前は幽霊文字はもっと沢山あったのですが、典拠・用例が明らかになった、または原典による誤字と判明したことで幽霊文字から外されたものがあります。
つまり現在の幽霊文字は典拠・用例が明らかになっておらず、誤字だとも断定できない文字、ということです。
幽霊文字と聞くと若干不気味でもあり、不思議な成り立ちですけどね。