知っておきたいアルノルト・シェーンベルク

2023.10.03

芸術家には若いころに最も著名な業績を残す者もいますが、オーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルク(1874～1951)は、最も有名な作品を後半生に生み出しました。

数十曲のオーケストラ作品を通して、シェーンベルクは無調という概念の普及に貢献しました。

無調とは、クラシック音楽で従来の和声を排して不協和音を組み合わせるという革命的なスタイルで、20世紀の音楽家たちに多大な影響を及ぼすことになりました。

ウィーンに生まれたシェーンベルクは、10代のころ独学で音楽を学び1890年代から作曲を開始しました。

初期の作品は大半が伝統的な形式にのっとっていましたが、第一次世界大戦の直前の時期から、根本的に新しい音楽ジャンルを創造し始めました。

その目的は、彼の有名な言葉を借りれば、「過去の美学のあらゆる束縛」を超越することにありました。

シェーンベルクの革新的手法で最も有名なのが、無調の活用です。

従来のクラシック音楽では、不協和音は中途半端で不安定な音とされ､協和音でバランスを取らなくてはならないと考えられていました。

シェーンベルクは、協和音と不協和音の違いを取り払ったのです。

彼はこれを「不協和の解放」と呼びました。

おそらくこれが、無調の最も分かりやすい定義でしょう。

無調を活用することで、彼の作品には不安定で落ち着かない印象が生まれているものが多いです。

シェーンベルクはユダヤ人で、1920年代に音楽を教えるためドイツに移りましたが、1933年にナチスが政権を握ると亡命を余儀なくされました。

彼はアメリカへ移るとカリフォルニア大学で教鞭を執るかたわら、死ぬまで作曲を続けたそうです。

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