アルバニアとネズミ講
- 2023.10.23
1990年代のアルバニアは、社会主義体制から市場経済への移行を試みる中、経済的・政治的な不安定さを経験していました。この時期、国民は新しい投資の機会を求めており、その中でネズミ講が非常に魅力的に見えたのです。加えて、情報の不足や金融リテラシーの低さが、多くの人々がネズミ講のリスクを理解できない理由となっていました。
この状況下で、多くの投資会社がアルバニア国内で活動を開始しました。中でも「Vefa Holding」は、高い利回りを約束することで多くの人々から巨額の投資を受け取った企業の一つでした。しかし、新規の投資家が増えなくなった時点で、このようなネズミ講の仕組みは持続不可能となります。
結果として、多くのアルバニア人が生涯の貯蓄を失いました。この事件が原因で、アルバニア全土で社会的・政治的な混乱が発生し、政府の崩壊や暴動が続いたのです。
アルバニアのこの悲劇は、ネズミ講の危険性と、経済的・政治的な不安定さの中での投資判断の難しさを教えてくれます。私たちはこの歴史的な出来事を通じて、投資先を選ぶ際の注意や、あまりにも良すぎると思える投資先に対する警戒心の重要性を再認識すべきでしょう。