死者の蘇生を試みたロバート・コーニッシュ

2023.12.19

ロバート・コーニッシュは、1903年12月21日に生まれ、1963年3月6日に亡くなったアメリカの生物学者です。彼は、カリフォルニア大学バークレー校を18歳で卒業し、22歳で博士号を取得するという天才児でした。
コーニッシュは、特殊なレンズを使って水中で新聞を読むなど、様々なプロジェクトに取り組んでいましたが、1932年に死者の生命を復活させるというアイデアに関心を持ち始めました。

彼の計画の中心は、最近亡くなった患者の血液循環を促すためのシーソーまたはティーターボードでした。
1933年には、心臓発作、溺死、感電による犠牲者をこのシーソーを使って蘇生しようとしましたが、成功しませんでした。
その後、彼は動物を使って方法を洗練させ、1934年と1935年に致死量の薬を投与された2匹の犬（ラザラスIVとV）を蘇生することに成功しました。

コーニッシュは、これらの犬にアドレナリン、肝エキス、ガムアラビック、血液の混合物を注入し、シーソーでゆっくりと体内に液体を行き渡らせました。
これにより、死んだ犬に脚のひきつりや息遣い、そして明確な心拍が見られるようになったのです。

しかし、公衆は犬の殺害やゾンビ化というアイデアに嫌悪感を抱き、コーニッシュはUCLAの研究所から追い出され、その後は自宅で研究を続けました。
彼は、1935年の映画「Life Returns」で自身を演じ、この映画には彼のラザラス実験の実際の映像が使用されました。
この映画は一時的に彼の研究に対する世論を好転させる可能性がありましたが、結局忘れられてしまいました。

彼の最も議論を呼んだ実験の一つは、死刑囚のトーマス・マクモニグルからの奇妙な申し出でした。
マクモニグルは、処刑後の自分の体をコーニッシュの蘇生実験に使うことを提案しましたが、法的な問題や実用的な問題から、この提案は実現しませんでした。

ロバート・コーニッシュの生涯と業績は、医学と科学の限界、そして倫理的な問題について深く考えさせられるものです。
彼の挑戦的な実験は、後の医学研究に影響を与え、2003年にはピッツバーグの科学者たちが、死んでから最大2時間後の犬を蘇生する方法を発見しました。
彼の物議を醸す実験は、その後も映画やテレビで取り上げられ続けています。

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