自由意志は存在するのか
- 2021.12.23
そろそろ来年2022年の計画を立てている方もいらっしゃると思いますが、その計画は本当にあなたの意志によって立てられたものでしょうか。
カリフォルニア大学の生理学者ベンジャミン・リベット(故人)は、1983年に人間に自由意志はあるのかについての研究を行いました。
結果として彼は
「人間には自発的な意志、自由意志は存在しない」という研究結果を発表しました。
マジかよ。
自由意志とは、自分で自由に何かを決定する意志のことです。
「この服を買おう」や「ジョギングに出かけよう」という自発的な意志はないとリベットさんは言っています。
マジかよ。
つまり、「この服を買おう」という自由意志によって服を買っていない、ということです。
マトリックスかよ。
■実験内容
被験者を椅子に座らせ、6秒の制限時間内で自分の好きなタイミングで手首を曲げてもらう、というものでした。
手首を曲げない、というのもアリです。
この実験の際、被験者の前には2.56秒で一周する特殊な時計が置いてありました。
被験者は「今から手首を曲げよう」と思った瞬間に、この時計の円周のどの位置に針があったかを記憶しておくようにしてもらいました。
これは「手首を曲げよう」と思った意志の始まりを確認するためです。
被験者の手首と頭にはセンサーが取り付けられており「手首が実際に曲がった時間」と「脳から手首を曲げる司令がでた時間」も計測されました。
この実験の狙いは、「意志」「行動」「脳の司令」の3つの開始時間を計測し、どういった順番で「自由に動いた」のかを明らかにすることでした。
■実験結果
普通に考えて、「動かそうとする意志」→「脳の司令」→「行動」と誰もが思うはずですが、結果は意外なもので「脳の司令」→「動かそうとする意志」→「行動」という自分の意志よりも先に脳が司令を出しているという興味深いものでした。
これにより、リベットは「意志」より先に「脳波」が発生しているため、脳は無意識に動き出し、その後、「動かそうという意志」が形成されると主張しました。
せやかて工藤、「服を買おう」と決める前にその司令が脳から出ちゃってるって、そんなことあるんか?
この疑問に対し、リベットは「意志」は後付の錯覚だと言っています。
つまり「自由意志」はない、という主張になるわけです。
■反論
「実験結果を認めない」
「実験結果は認めるが主張は認めない」
という主に2つの反論があります。
「実験結果を認めない」はシンプルに測定の誤差で実験結果自体が間違っている、というものです。
この反論はその後行われた多くの追加検証により否定的な検証結果がでています。
つまりリベットの主張は正しいという検証結果だった訳です。
「実験結果は認めるが主張は認めない」についてはリベット自身も否定しておらず、自発的な行動を意志でコントロールすることはできないものの、脳の司令を意志が拒否できることは認めています。
この主張も追加検証され、概ね正しいという結果が出ています。
つまり、脳がすべての命令を下しているが、その命令は拒否することができ、その拒否できる権限こそ「自由意志」ではないか、ということです。
脳にNO!といえる人が自由な人ってことです。
ダジャレで終わったら駄目なんですか(迫真)
当然のことながら、宗教的な意味合いから否定的な論文を広めようとする向きもあったようですが、科学者・哲学者の良心により封殺されたようです。