帰納法と演繹法(えんえきほう)
- 2022.08.04
ある事柄について、 「過去に〇〇だった」 という事実から、 「それは常に○○である」または「今後も常に○○であるだろう」 という結論を導き出す推論のことを、帰納法といいます。
例えば、太陽は今までずっと朝になれば昇っていたので、 明日の朝も昇るだろうと考えますよね。
この様に、私たちが世界について抱いている考えの大半は、帰納的な推論に基づいています。
しかし、帰納法は演繹法(えんえきほう)ほど確実ではありません。
演繹法とは、例えば、ソクラテスは人間であり、すべての人間はいずれ死ぬのですから、ソクラテスもいずれ死ぬという結論を導く推論のことです。
この場合、事実によって結論は証明されています。
しかし帰納法を使う場合、過去の事実が未来のあり方を決めるとは限りません。
太陽が爆発するか何かして、 昇らない可能性だってあります。
帰納法を用いる場合、この根拠なら必ずこの結論が導き出されるというわけではないが、その結論になる可能性はきわめて、または、かなり高いと言えます。
しかし、過去と同じことが未来にも起こると考えてよい正当な理由はありません。
つまり、過去の歴史や事象を基に完璧に未来を予測することは不可能だ、という考え方です。
帰納法の問題点を最初に提起したのは、デイヴィッド・ヒュームで、帰納的な推論によって真理に到達できると考える理由はないとの結論に達しています。
現在も地震や火山噴火を完璧に予知することが難しいのは、過去のデータに頼らざるを得ない部分もあるのかも知れません。