現在進行中の「ノアの方舟計画」
- 2022.08.16
神に命じられたノアが、世界中の動物たちのつがいを一組ずつ乗せて大洪水から逃れたとされる 「ノアの方舟」の伝説は、『旧約聖書』に書かれた話の中でも最も有名なものでしょう。
実は、それとまったく同じ発想でつくられた「植物版ノアの方舟」があるのをご存知でしょうか。
場所は、ノルウェー領スヴァールバル諸島にあるスピッツベルゲン島。
2008年にここに建設されたスヴァールバル・グローバル・シード・ボルトは、もしも世界滅亡のような危機が訪れても、地球上の植物が根絶しないようにとつくられた、いわば「種子銀行」です。
永久凍土層に築かれた地下の貯蔵庫は、つねにマイナス18~20度に保たれ、数多くの植物の種子が保存されています。
この施設がつくられた当初は約30万種類でしたが、2018年には約100万種類まで増えたそうです。
もしも何らかの理由で絶滅した植物があれば、ここに保存されている種子を利用して再び栽培することができるようになっています。
近年、森林伐採や砂漠化、地球温暖化など、環境破壊は世界中で進んでおり、その速度は早まっているといわれており、絶滅の危機にある植物も少なくありません。
一説では現在、地球上では1年間で約1万種類の動植物が絶滅しているともいわれます。
この植物版ノアの方舟が、いずれは存在価値を発揮するときがくるかも知れませんね。
いざという時に腐っていなければいいけれど。