リスのふさふさの尻尾の役目
- 2023.04.04
リスの学名は「スキウルス」。ギリシア語の「スキア」と「ウラ」からできた語で、「影をつくる尻尾」という意味があります。
ふさふさと毛に覆われたあの長くて太い尻尾、だてについているわけではありません。
その尻尾の役割は3つあります。
1つ目は、木から木へ飛び移るための道具として。
隣の木へ移動するときに、太い尻尾をさらに広げて飛躍するのです。
いってみれば、尻尾が翼の代わりになるのです。
尻尾は胴より幅広で、数メートル離れた木にも軽々と移ることができます。
第2の役目は、落下時のブレーキ。
飛躍の後、広げた尻尾を閉じて少し下げるようにすれば、ブレーキをかけられます。
速度をつけて飛躍しても、前のめりになったり逆に後ろに倒れたりしないのは、やはり長い尻尾でバランスを取りつつブレーキをかけるおかげです。
役割その3は、布団代わり。
リスは枝の股などを利用して、小枝、樹皮、草、獣毛や羽毛で球型の巣をつくりますが、あまり寝心地がよくないのでしょうか。
眠るときには必ず尻尾をお腹に巻くような格好で、うつぶせで寝るのです。
尻尾は全方位に動かせますから、寝るときの邪魔にならないようにこのスタイルを取るとは考えにくく、やはり布団にしていると見るのが妥当でしょう。
長い毛で覆われた尻尾は、睡眠中に体温が下がらないようにも利用されているのです。