ざっくりアクエンアテン (アメンヘテプ四世)について

2023.04.16

古代エジプト王のアクエンアテン(アメンヘテプ四世)は、最もよく知られる古代の宗教改革者だと思います。

古い宗教を撤廃して、唯一神のアテンを祭る新宗教を広めるために、エジプトの宗教の伝統を根本から変えようとしたことで知られています。

紀元前1350年ごろに即位したアメンヘテプ四世は、エジプトを約37年間統治したアメンヘテプ三世の息子で、若くして王位に就いたが、治世4年目に新しい宗教を創始すると､自分の名を「太陽神アテンに仕える者」を意味する「アクエンアテン｣に改めました。

アクエンアテン以前のエジプトでは、生産の神オシリスや戦いの神ホルスなど、何世紀にもわたって伝統的な神々が信奉されていました。

アクエンアテンは古来の神々を否定し、伝統的な神の崇拝を禁止し、多くの古い神殿の取り壊しを命じました。

アクエンアテンは、新しい宗教を心から信奉していたようですが、この新宗教は、政治的にも重要な意味を持っていました。

エジプトの神官たちを、人間と神の仲介者としての伝統的な役割から排除し、アテン神との仲介者は自分だけだと主張することで、聖職者たちの力を弱体化させ、王権を強めようとしたのです。

権力を集中させるために、アクエンアテンは砂漠に新たな都市アケトアテン(現アマルナ)を建設し、テーベからそこへ首都を移しました。

しかし、アクエンアテンのおよそ17年の治世中、民衆たちはアテン神を心から信仰してはいませんでした。

アクエンアテンの死後に即位した、息子のトゥトアンクアテン(ツタンカーメン)は、神官たちからの圧力に屈し、古い神を復活させて首都をテーベに戻しました。

数年のうちに、エジプトの人々はアテン神を完全に拒否し、アクエンアテンの改革の痕跡は跡形もなく消え去りました。

しかし、アクエンアテンは革新者と考えられており、彼が創始した宗教は、一神教信仰の原型として扱われる場合も少なくないということです。