「天使」が出てくる粋な言葉
- 2023.05.08
「天使」が登場する粋な表現を2つご紹介しましょう。
まず1つ目はフランスのことわざ。
たとえば飲み会のとき、それまで皆が話をしていたのに、ふと、全員の会話が途切れる瞬間があります。
そんな瞬間のことをフランス語で 「Un ange passe.」、つまり「天使が通る」といいます。
一瞬、シンとして静かになってしまったとき、誰かが「あら、今、天使が通ったわね」と言ってその沈黙をやぶり、また、何ごともなかったかのように会話を続けるというのが正しい使い方。
沈黙の気まずさを、「天使」に登場してもらって粋にカバーする言葉なのです。
2つ目はワインやブランデーの製造現場で使われる言葉。
ワインやブランデーを作るときは、「樽の中で熟成させる」という工程がありますよね。
この熟成期間は、長いときには何十年にもなりますが、その間に、お酒の中の水分やアルコール分が蒸発して樽の外に出てしまい、完成時には、最初に仕込んだときよりも量が微妙に減るのです。
この減った分を「天使の分け前」とか「天使の取り分」と呼びます。
当然、熟成年数の長い酒ほど、「天使の分け前」も多くなるわけですね。
「天使が通る」 も 「天使の分け前」も、なかなか粋な表現だと思うのですが、いかがでしょう。